メール。仕事では必須のコミュニケーション手段ですが、今回はそんなビジネスや仕事の際のメールのマナーとルールを紹介します。
ビジネスメールのメリットとデメリット
一見便利なように感じるメールですが、ものごとにはメリットとデメリットがあるのが常です。まずはビジネスにおけるメールのメリットとデメリットをまとめてみました。
ビジネスメールのメリット
相手が読みたい時に読める
メールは手紙やFAXと同様に送りたいときに送って、読みたいときに読むことができるビジネスコミュニケーションツールです。電話や面会では、相手と時間が合わなければコミュニケーションをとることができませんが、メールは相手と時間が合わない場合でも送ってさえしまってあれば、相手が読みたい時、読める時に読むことができるので相手と時間を合わす必要がなくお互いの時間を拘束しません。
言った言わないなどのトラブルが減る
ビジネスにおいて「言った、言わない」のトラブルはつきものですが、そんなトラブルを回避するためにはメールはうってつけです。送信したメールを相手が悪意を持って捨ててしまっても送り主のところには残ります。またサーバ等にも残っているケースもあるので万が一トラブルになってもどうにかできる場合があります。つまり証拠になりやすいコミュニケーションツールです。
何通送っても無料
あれほどの迷惑メールがきても送り主は無料なように、FAXや郵送と違って何通送っても無料です。営業などにおいて郵送だと1通50円以上しますが、メールの場合無料なので有効活用できます。ただし、先ほどの迷惑メールのように相手の迷惑になる行為は慎んでください。
同時に複数人への送信が可能
一斉送信に代表されるように従来のコミュニケーション手段と違い「1:n」のコミュニケーションに向いています。一度のメールを作るという労力で複数の方、大勢の方への情報発信が可能です。
スピードのあるコミュニケーションがとれる
基本的にメールは送信すればすぐに相手に届きます。思ったこと、考えたこと、決めたことなど自分の意思をタイムラグなく相手に送ることができます。逆に一度送ってしまったら取り消すことが難しいので、一時の感情や考えなどは送らないように落ち着いてください。
デジタルデータなのでかさばらない
手紙やFAXと違い、デジタルデータなのでいくら送っても相手の物量的な迷惑にはなりません。これはメールの特性というよりはデジタルデータの特性ということですね。
後から検索が可能
デジタルデータの特性として、テキスト検索が可能であるというところもメールのメリットです。メーラーにもよりますが、日時・送信者・本文中のキーワードなど複数の検索項目から検索することができます。かつては「探す」であったのが、現在では「検索」にかわり、仕事もよりスムーズに流れるようになりました。
簡単に過去のやりとりがわかる
送受信の履歴が日時ベースで全て確認することができます。基本的にビジネスメールは引用返信されているので、現在Gmail等のメーラーだと一つのメールでそのメールの流れ全ての確認が可能です。
電話と違い伝達ミスが少ない
聞き間違い、言い間違いが起こりません。もちろん書き間違い、読み間違いはありますが、これも読み返しなどにより大幅に防ぐことができます。メールは比較的ミスが少ないコミュニケーションツールです。
資料をデータとして送れる
郵送やFAXまどでは送ることが難しい大量の資料(ワードやエクセル、パワーポイントなど)もメールでは送ることができます。あまりに大容量になる場合は添付ではなくファイルストレージなどを使う方が良いですが、基本的にメールで送るという概念ではあると思います。
デメリット
緊急の場合にむいていない
相手の時間を拘束しないというメリットがある反面緊急の場合にそれだけではむいていないのがメールです。緊急の場合の連絡にはメールだけではなく、電話等と併用するようにしましょう。
相手に読まれたかわからない
メーラー等によっては相手が読んだ場合にアラートができるものもありますが、ただ開いただけで読んでいないケースもあります。電話と違い相手が読んだかどうか分からない点ではFAXや郵送と同じですので、念の為に電話連絡しましょう。
時間を共有することができない
電話では相手と同じ時間を共有することができますが、メールではそれができない場合もあります。これについては郵送やFAXでも同じことが言えます。
そっけないコミュニケーションになる可能性がある
電話に比べて簡潔に用件伝える傾向のある、というかそうすべきであるメールではどうしてもコミュニケーションが希薄になる可能性があります。逆に言葉では言えないことが言えるというメリットもありますが、やはりコミュニケーションにおいてはメールだけではなく電話や面会なども利用しましょう。
データとして残ってしまう
メリットである反面、データとして残ることでデメリットになるケースもありますので送る内容をしっかりと確認するのは言うまでもなく、添付ファイルなどの確認も忘れずにしてください。
だれもがメールを使うとは限らない
メールを使わない人や使わない人がいることを気に留めておいてください。メールは非常に便利なコミュニケーションツールですが、利用しない人もいるのです。
理由としては「ただ嫌い」と毛嫌いしている人から、「タイピングがめんどくさい」「なんか使いづらい」「いまいちよく分からないから使いたくない」などいろんなケースがありますので、使いたいけど分からないといった方には教えてあげるのもいかがでしょうか?
ビジネスメールのマナーとルール13選
ビジネスメールはここ20年ほどのコミュニケーションツールなので、ルールやマナーも人によってまちまちです。そこで、ここでは最低限守っておいた方がよいビジネスメールのマナーやルールを13個集めました。
一番大事なこと!緊急の用件には使わない
これは本当に大事です。緊急の要件なのにメールだけ送って、後ほど「連絡しましたよね?」なんて言う方の多いこと、多いこと。みなさんも経験ありませんか?緊急の用件を伝える際は絶対に電話等でメールを送った旨、もしくは電話をいれてからメールを送ってください。
大事な用件の場合は電話などで確認をする
メールは読まれているかが分からないところがデメリットにあげられますので、大事な用件の場合は電話などで送信した旨をきっちり伝えましょう。
話した方が伝わりやすいことは電話などと併用で
はっきりいって文章で全てを表現するのは難しい時があります。言葉の方がまろやかに表現できるケースもあります。どうしてもメールでうまくいかない時は、電話などと併用でいきましょう。
件名はわかりやすさ重視で
件名は相手への伝わりやすさ、分かりやすさ重視で作ります。
懇親会への詳細と参加可否について 期日:○月○日
資料ご送付のお願い/○○のスペックについて
返信などのレスポンスはできるだけ早く
既読かどうかが一番の心配どころであるメールなので、極力返信などのレスポンスは早く行いましょう。メールだけではなくビジネスにおいてはレスポンスが早い事に越したことはありません。
^_^などの顔文字や(笑)、(汗)などの記号文字の使用
友達とのメールやチャット、LINEとビジネスメールは別物ですので、顔文字などのフランクな表現は避けてください。とはいえ、最近では少しずつそういったフランクな表現も許容されるようになってきています。
変換ミスがないかチェックする
これはメールに限ったことではありませんが、入力した文章は送信する前に必ず確認しましょう。本人が思っている以上に入力ミスとは多いものです。(私も気をつけます・・・)
TO、CC、BCCを間違えて使わない
TO
「TO」は宛先です。送り先はあなたですという意思表示になります。主に連絡を取り合い仕事を進めていたり、作業をお願いしたり、、質問をしたりしている人をここに指定します。「TO」でメールを受け取った人は必ず返信しましょう。
CC
「TO」で送り主と送り先の上司、同僚、部下や一緒に仕事をしているメンバーなど、念の為にメールの内容を確認したりしてほしい人を指定します。そのほか情報共有等に指定したりもします。基本的には「CC」で指定された人は返信をしなくても良いですが、必要な場合は返信しても大丈夫です。
BCC
「BCC」の特徴は他の受信者にアドレスが見えない点です。一斉送信の際などに利用されるケースが多いですが、万が一間違えるとメールアドレスをさらすという事故も起こり得るので一斉送信でのBCC利用は注意が必要です。
宛先の順番にも配慮しよう
少し細かいところにはなりますが、宛先入力の際の順番にも気をつけた方ベターです。上席の方から順に宛先を指定していきましょう。
送信前に宛先間違いは十分にチェックしよう
宛先間違いは致命的です。メールは基本的に「送信」ボタンを押した瞬間に相手に送信してしまいます。見積書を間違えて送った、契約書を間違えて送った、など想像しただけで恐ろしいですね。くどいようですが、宛先はきちんと確認してから送信してください。
送信メールを書くときのマナーとルール
宛名
宛名には「社名」「部署」「役職」「氏名」などが当たります。
株式会社○○○○
△△△ 様
〇〇株式会社 □□□□部 課長
△△△ 様
冒頭挨拶
「いつもお世話になっております。」などがメールの冒頭挨拶文になります。
「いつもお世話になっております。」
「いつもありがとうございます。」
「突然のご連絡失礼いたします。」
「ご無沙汰しております。」
名乗り
メールでも自分の社名や名前をきちんと名乗りましょう。
○○会社 △△△です。
○○会社 □□□□部 △△△です。
本文
内容は簡潔に作ってください。だらだらとくどい文章は読むに耐えますし、誤った理解をされたりする原因になります。
株式会社○○ 総務部 部長
△△様
いつも大変お世話になっております。
株式会社○○の山田です。
このたびは、お忙しいなか、貴重な時間をいただき誠にありがとうございました。
貴社とのお取引開始を、大変喜ばしく思うとともに
改めて御社のご要望応えられるよう製品精度を高めていく所存でごじます。
また、至らない点等ございましたらご連絡ください。
今後とも、何卒よろしくお願いいたします。
結びの挨拶
「今後ともよろしくお願い申し上げます。」など本文の最後にくる文章です。
お手数をおかけしますが、何卒よろしくお願いいたします。
今後ともよろしくお願い申し上げます。
何卒よろしくお願い申し上げます。
署名
署名には社名、部署、役職、住所、連絡先等を掲載します。
───────────────────○○○○○○ Co.,Ltd.─
株式会社○○○○○○
△△ △△
住所住所住所住所住所住所住所住所
Tel:000-000-0000 Fax:000-000-000
aaaaa@example.net
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メール形式
ビジネスメールにおいてはHTMLメールは禁止です。絶対に標準のテキストメールにしてください。
結論は最初に書く
プレゼン資料などもそうですが、結論は最初に書くように努めましょう。
1通のメールに複数の要素を入れない
基本的には1メール1用件にしてください。1つのメールで複数の用件をいれると、読みづらくなる上に返信しづらくもなります。
機種依存文字や半角カナ文字は使わない
機種依存文字は場合によっては相手方で文字化けが起き、まともに読めなくなります。また半角カナも同じ現象がおこったりするうえに、そもそも読みづらいです。
添付ファイルには配慮しよう
あまりに多い数の添付ファイルを送るのはマナー違反です。また添付ファイルのファイル名の付け方にも気を使って、相手に分かりやすい名前にしましょう。
送る前にウィルスチェックをしましょう
セキュリティ上大事なことです。万が一自分のファイルが感染していも、送信前にウィルススキャンをすれば拡散を防げます。
添付ファイルは1~2MBまでに収めましょう
あまりにファイル容量の重すぎるファイルは相手に迷惑です。1〜2MBが理想ではありますが、昨今の技術の発達もあり、20MBくらいまでは大丈夫です。
相手が開けるファイル形式で送りましょう
「.ai」や「.psd」をはじめ一般的に利用することの少ないアプリケーション専用のファイル形式で送らないようにしましょう。
機密情報にはパスワードをかけましょう
情報保護の観点から特に機密情報や個人情報の入ったファイルにはパスワードによる保護をしてください。ファイルの添付されたメールとパスワードの書かれたメールを別のメールで送るとなおよしです。
長文のメールにはあらかじめ長文である旨を書いておく
長文のメールには長文であることを最初に伝えてください。じっくりと読む時間を取れる時に相手に読んでもらわないと、斜め読みでは誤解等生じることもあります。
返信や転送の場合のマナーとルール
「Re:」が多くなりすぎないように注意!!
「Re:Re:Re:Re:Re:Re:Re:Re:Re:○○のご連絡」などのようなメールをよく見かけますが、特別な意図がない限りは基本的には「Re:」は1個にしてください。肝心の件名が見えなくなります。
「返信」ではなく「全員に返信」を使う
送り主が複数人あてに送ってきたメールに対しては返信する時も必ず「全員に返信」がルールです。意外と「返信」をしてしまっているケースが多いのではないでしょうか?
返信には基本引用返信で
これも返信の大事なルールです。今までどういうやりとりで進んできたのか分からなくなるので、返信には必ず「引用返信」でお願いします。
間違えてメールを送ってしまった場合の対処法
間違えてメールを送ってしまった場合は、できるかぎり迅速に電話にその旨を伝えて謝罪してください。電話が繋がらない場合や電話できない時間帯の場合は急ぎ謝罪と説明のメールをいれて、後ほど電話するようにしてください。
仕事で恥をかきたくない!!という方におすすめの書籍
社会人になっていろいろとマナーや礼儀というものが重要視される機会が増えます。そんな時に1冊の本を手元においておくのはどうでしょうか?
これ1冊でOK! 社会人のための基本のビジネスマナー
典型的な失敗例などが漫画で紹介されたりとかなり読みやすい構成になっています。電話やメール、仕事上の書類や文章の書き方など本当にわかりやすく紹介されています。
最新ビジネスマナーと今さら聞けない仕事の超基本
こちらの本はSNSやメッセージアプリなどの最近多くの問題がでているツールのマナーから社会人としての円滑な人間関係の構築やコミュニケーションのとりかたなども図などでわかりやすく説明してくれています。
入社1年目ビジネスマナーの教科書
名前通り広く浅く社会人、ビジネスマンとして最低限のマナーが紹介されています。正直1年目じゃなくても改めて読んでみても良い本だと思いました。