【失業給付 (雇用保険・失業保険)】シリーズ社会保障 簡単解説 vol.001

2018/09/04社会保障
【失業給付 (雇用保険・失業保険)】シリーズ社会保障 簡単解説 vol.001

「シリーズ社会保障 簡単解説 vol.001」は退職時に受給される失業給付金についてです。いわゆる雇用保険・失業保険での失業手当とか基本手当と言われているものです。転職などの自己都合での退職ならまだしも、倒産やリストラによる会社都合でやむなく退職になった場合はパニックにならず、こういった制度をきちんと理解して利用してください。

どんな人がもらえるの?対象者は?

失業給付(基本手当)はいわゆる雇用保険に加入していた人が申請し受給することができます。一般的な企業でお勤めのサラリーマンの方は基本的に対象者にはいっています。よく失業手当とか言われてるものがこれに該当するのではないでしょうか?

ここで大事なことは一般的に役員といわれる「取締役」である役員の方は雇用保険や労災保険への加入が原則できませんのでこの失業給付を受け取ることができません。ただし、企業の就労形態によって「取締役」のつかない執行役員については加入が可能な場合もあるそうです。

また、雇用保険にはいっていたとしても失業給付金がだれでも受け取れるわけではありません。受け取るためには、「この先も働く意思があること」が必要です。つまり「当分ゆっくりしよう」とか「今のところはまた働くつもりがない」といった方は受給資格がないということになります。

雇用保険は正社員だけのものではない

雇用保険は実は正社員だけのものではありません。派遣社員の方やアルバイトの方でもある一定の条件を満たすと加入することが原則的にはできますので、一度ハローワーク等で確認してください。

どうやって手続きや申請をするの?

手続きや申請は基本的にハローワークで行いますので自己都合であれ、会社都合であれ退職した場合はすぐに申請や手続きを行ってください。また前段でも記載したとおり「この先も働く意思のある」人が対象ですので、採用されるための活動である求職活動をしていることを4週間(1ヶ月ではなく28日)に1度報告しなければいけません。

自己都合と会社都合の違いに注意!!

こちらについては自己都合の場合と会社都合の場合によってことなってきます。やはり自己都合に比べて会社都合の場合の方が優遇されています。

自己都合の退職とは?

聞き慣れた言葉である「一身上の都合で・・・」などはこちらの自己都合での退職にあたると考えられます。具体的な例としては「転職」「家庭の都合」「引っ越し」「結婚」「妊娠」「出産」「定年」などが考えられます。

会社都合の退職とは?

会社都合とは自己都合とは逆にリストラや倒産、早期定年退職制度などを利用した退職が該当します。つまり自分の意思とは関係なく退職や離職をせざるを得ないケースのことです。その観点ではリストラや倒産はイメージしやすいですが、早期退職制度もこの会社都合にあたることはあまり知られていないかもしれません。

自己都合の場合

自己都合の場合は基本的には申請から3ヶ月後となっています。そうです、けっこう時間がかかるのです。貯金がほとんどない状態で失業給付金で生活できると思って退職した場合は大変なことになります。

会社都合の場合

会社都合の場合は「失業待機期間」である7日間の後はすぐに給付が始まります。会社都合の場合は準備もなにもできていないケースもあり得るので、個人に優しい設定になっています。

どのくらいの金額がもらえるの?

給付される金額は退職前、つまり在職時の給料と退職時の年齢から計算することができます。規定としては、日あたりの賃金のおおよそ4.5割〜8割です。

参考

賃金日額 給付率 基本手当日額
2,470円~4,940円 80% 1,976円~3,952円
4,940円~10,920円 80~45% 3,952円~4,914円
10,920円~15,650円 45% 4,914円~7,042円
15,650円~ 7,042円(上限額)

給付される期間は?

こちらも「自己都合」の場合と「会社都合」の場合で異なります。

自己都合の場合

自己都合の場合は最長で150日となります。ただしだれでも一律でというわけではありません。自己都合で退職したケースでは雇用保険への加入期間「だけ」が加味されて給付日数が決定します。雇用保険への加入期間が1年〜10年の場合で90日、10年〜20年の場合は120日、20年以上は150日となっています。ちなみに自己都合の場合、雇用保険への加入期間が1年未満では受給資格がありませんので注意が必要です。

会社都合の場合

自己都合の場合は加入期間のみが加味されましたが、会社都合の場合は退職時の年齢によって5段階の設定があり、段階ごとに90日~330日の間で所定給付日数が決まります。ただし、雇用保険への加入期間が1年未満の場合は一律で90日と給付期間が決まっていて、加入期間が6ヶ月未満の場合は給付条件を満たさないので給付されません

障害者などの就職困難な方について

障害者の方や就職困難な方については会社都合の退職者よりさらに優遇されています。障害者とはどのような方かというと身体障害者、知的障害者、精神障害者の方があたります。さらに就職困難な方には保護観察中の方、社会的事情により就職が著しく阻害されている方も含まれます。該当する方が雇用保険に1年未満の加入の場合150日、加入期間が1年以上で退職した時の年齢が45歳未満の場合300日、45歳以上の場合360日と給付期間が決まっています。

受給期間の延長も可能!?

失業給付金の受給期間は原則退職した日の翌日から1年以内と決まっています。ただしこれには例外があり、病気・妊娠・出産・育児・介護などのやむを得ない理由の場合受給期間を1年から最大で3年延長した4年にすることができます。退職後すぐに受給期間延長の手続きしておけばやむを得ない理由が一段落しその後再就職を目指す場合などに受け取ることができます。ただしこれはあくまで受給期間を延長するものであって、受給できる日数が増えるわけではないので勘違いしないようにしましょう。

まとめ

一般的に失業保険といわれている失業給付金ですが、やはりどんな理由であれとりあえず退職した場合はすぐにハローワークに申請や手続きをしにいきましょう。細かいことが分からなくてもハローワークにさえ行けば職員の方が教えてくれると思います。また、制度も拡充されるケースもあるので、申請時にきちんと質問して理解しておくことは大事です。

こちらの記事はあくまで制度をわかりやすく解説した記事です。詳しい制度内容についてはハローワーク等のサイトでご確認いただくか、直接ハローワークにお問い合わせください。