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「羊羹」と「ういろう」の違いをご存知ですか!?

「羊羹」と「ういろう」の違いをご存知ですか

小豆を使ったお菓子に「羊羹(ようかん)」があります。小豆が滑らかに四角く長いバーの状態で固められている和菓子です。羊羹と似た見た目のものに「ういろう」という和菓子もありますが、ご存知ですか?有名なところでは名古屋の銘菓というイメージもあるようですが、小田原や山口県などの「ういろう」も有名です。

現在はさまざまなアレンジで販売されている「羊羹(ようかん)」「ういろう」ですが、基本の形は大体、四角く長い棒状の形が多いように思います。「ういろう」は白やピンクのものがよく見られますが、小豆色のものもあり、見た目としては「羊羹」と変わりがないように感じます。ではこの2つの違いとはなんでしょうか。
みなさんは羊羹とういろうの違いってご存知ですか!?ということで今回の「今さら聞けないチガイ」シリーズは「羊羹」と「ういろう」の違いについてです。

羊羹(ようかん)とは!?

羊羹(ようかん)は一般には小豆を主原料とした餡を型に入れ、寒天で固めた和菓子です。
羊羹はもともとは中国大陸の料理であり、羊の羹(あつもの)と言われる肉・野菜を入れた熱い吸い物、つまり羊の肉を煮たスープの一種と言われています。

それが鎌倉時代から室町時代に、禅僧によって日本に伝えられたとされていますが、禅宗では肉食が戒律(五戒)により禁じられているため、精進料理として羊肉を用いず、代わりに小豆や小麦粉、葛粉などを使ったものが、日本での羊羹の原型になったとされているそうです。

江戸時代に羊羹として記された中に「羊羹と砂糖羊羹はいずれも小麦粉を使って蒸した菓子」とされているものもあり、蒸した生地を臼でついたりこねたりして成形する製法と、枠(箱)に生地を流し入れて蒸し固める製法の2種類の製法があtたとの記述があったようです。

しかし、1700年代末ごろには寒天を用いた煉羊羹が出回るようになり食感がよく日持ちもする煉羊羹は江戸で人気が出て1800年代半ばには蒸し羊羹にかわって煉羊羹が主流になり始めていたと考えられるとされています。

製法としてある中で、小麦粉や葛粉を加えて蒸し固める製法は蒸し羊羹と呼ばれ、寒天で固めた固めた製法のものをただ「羊羹」、または「煉羊羹」と指したりするようです。

ういろうとは!?

ういろうは基本的には米粉(うるち米、もち米)、小麦粉、ワラビ粉などの穀粉に砂糖と湯水を練り合わせ、型に注いだものを蒸籠(せいろ)で蒸して作られるお菓子です。
小豆あん、抹茶など、さまざまなものが加えられたものがありますが、室町時代のころからある黒砂糖を使った「黒糖ういろう」が本来の姿と考えられていると言われています。

名古屋ういろうは他の地域のういろうとは異なり、うるち米からできる米粉を主原料としているのが一般的と言われています。食感は餅のような弾力があって、スーパーなどで販売されているものでは黒砂糖を使ったものも多くみられるそうです。

小田原の方が歴史は古いようですが、お菓子としてのういろうを一般に販売し始めたのは明治時代に入ってからで、名古屋ういろうの元祖は1659年(万治2年)創業の菓子屋がういろうを菓子として販売する業者としては全国最古の老舗であるとされています。
東海道新幹線の車内販売で名古屋土産として販売して人気になったことから、名古屋銘菓と言われるようになったとも言われています。

山口のういろうはワラビの粉に砂糖を加え、蒸して作られるそうです。小豆、抹茶等が加えられることもあるとされています。他の地方のういろうと異なり、わらびもちのような、くせのないとろっとした食感が特徴のようです。

「小豆」と「大豆」の違いをご存知ですか!?

  • 羊羹(ようかん)は小豆の餡を寒天などで固めた和菓子
  • ういろうは米粉などの穀粉に砂糖と湯水を練って、型に注ぎ蒸して作られるお菓子
  • 羊羹(ようかん)は基本は小豆の餡を使い、ういろうは小豆を使用しないものでも成立する
  • 羊羹(ようかん)は食感が滑らかで糖度が高くしっかりとした甘さがある、ういろうはもっちりとした食感で商品にもよるが、控えめな甘さとされている