寿司ネタとして有名な魚であるシラウオ。軍艦巻きの上に乗っているシラウオを一度は目にしたことがあるのではないでしょうか。一方、踊り食いで食されるのがシロウオです。シラウオとシロウオ、呼び方が違うだけの同じ魚なんじゃないの?と思っている方が多いのですが、実は明確に違う種類の魚なんです。ということで今回の「今さら聞けないチガイ」シリーズはシラウオとシロウオの違いについてです。
シラウオとは!?
シラウオというのは、キュウリウオ目シラウオ科に属する魚です。キュウリウオって何??と思われるでしょうが、アユやシシャモ、ワカサギなどが含まれるグループのことです。なんと、シラウオはアユの親戚だったんですね。シラウオは白くて小さく、シラスによく似ています。ところがシラスはカタクチイワシの稚魚なのに対して、シラウオは全長5~8cmほどでもう大人なんです。つまりもともと小さい魚なんですね。
シラウオの仲間はアジアに広く分布している魚ですが、日本にはそのうち4種類が分布しています。食用となるのはシラウオとイシカワシラウオの2種類であり、とくに区別されていません。残り2種、アリアケシラウオとアリアケヒメシラウオはその名の通り有明海にのみ分布している固有種で、どちらも絶滅危惧種に指定されています。
シラウオはとても弱い魚で、網ですくいあげ空気に晒すとほとんどが死んでしまいます。そのため活魚が流通しないので、踊り食いでは食べられないんですね。シラウオは川と海の水が混ざり合う汽水域に生息していて、寿命は生まれてから産卵するまでの1年ととても短いです。
シロウオとは!?
一方シロウオという魚は、スズキ目ハゼ科に分類され、シラウオとはまったく遠縁の種類の魚です。シロウオとシラウオは分布も異なっていて、シロウオは日本と朝鮮半島という比較的狭い範囲に棲んでいます。
シロウオも5cmほどで大人になる小型の魚です。普段は沿岸の海に生息していて、産卵のために川に遡上します。この川に遡上するタイミングを狙ってシロウオ漁が行われます。またシロウオはシラウオ同様、寿命は1年ととても短いです。
シロウオとシラウオを見分けるポイントは何点かあります。
- シロウオと比べ、シラウオの口は尖っている
- シラウオの体型はくさび形
- シロウオは浮き袋がはっきりと透けて見える
- シラウオにはアユやシシャモのように、背びれの後ろに脂びれがある
シロウオがシラウオと大きく異る点に、比較的丈夫で、基本的に活魚で流通することが挙げられますね。むしろ死ぬと味がとても悪くなるので、活魚しか流通していません。シロウオといえば生きたままポン酢で頂く踊り食いが有名です。ところが、河川由来の寄生虫や細菌が付着している可能性があって、衛生的にはちょっとよろしくないんだとか。
シラウオとシロウオの違いまとめ
- シラウオはアユの仲間。シロウオはハゼの仲間。
- シラウオは網ですくうとすぐに死んでしまう。
- シロウオは比較的丈夫で活魚で流通する。
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