白味噌、赤味噌は、地域によって色合いや原材料も違い、名古屋の赤味噌は関東などで言われる赤味噌よりもっと濃くなります。今回は全国的に一般とされる「赤」と「白」の違いをお伝えします。
赤味噌の白味噌も原材料は基本的に同じです。
白も赤もどちらも基本的な原料は同じで、蒸したり煮たりした大豆に麹、塩を混合し熟成させて作ります。
「麹(こうじ)」はお味噌作りの要になり、こうじの種類や量で変わります。そして味噌の塩加減は食塩の量によっても変わります。熟成期間、大豆を煮るか蒸すか、発酵の途中でかき回すかどうかなど、お味噌によっていろいろな違いになっていきます。
そして、発酵・熟成期間中に、「メイラード反応」という化学変化によって、味噌は赤色っぽく変化します。
メイラード反応とは、アミノ酸が糖と反応して褐色に変化することをいい、醸造期間が長くメイラード反応が進んだ味噌ほど、味噌の色が濃くなっていくそうです。
白味噌とは?
代表的な白味噌は、関西圏で多く使われているのが米と大豆と塩を原材料にした米味噌と言われるもので、米麹の割合が強く、甘みが感じられます。着色を抑えるため精米度を高くし、大豆は脱皮したものを用いて蒸さずに煮る。熟成を短くしているのが特長のみそで長期保存には向かないようです。
赤味噌とは?
原材料は同じ、大豆と米と塩。関東圏や東北などで用いられているお味噌は関西と同じ米味噌ですが、大豆の浸水時間を長くし、高温で長時間蒸すことによって、たんぱく質が熱変性して酵素により分解が促進されるため、濃い赤味噌になります。
関西の白味噌と原材料は同じでもこの違いで赤味噌に仕上げています。あと米と大豆の割合なども違うようです。
東海地方の赤味噌は?
上の図はいわゆる八丁味噌や名古屋味噌などと言われる大豆と塩のみを原材料にし、麹も豆麹というものを使っている豆味噌です。熟成時間も他の味噌より長く、1〜2年以上熟成させるとのことです。
熟成期間が長いので腐敗を防ぐために、塩分濃度を高めているため生まれる独特の渋みとうまみが特徴です。
「八丁味噌」はブランド名となっており、米麹や麦麹を用いず、原材大豆の全てを麹にした豆麹で作られる豆味噌のうち、現在の愛知県岡崎市八帖町にて生産されてきたものを指すようです。
色の違いも熟成期間や大豆、米の割合、大豆の扱いなどで様々な味噌が生まれていました。
最近では、スーパーで全国様々な味噌を入手することができますが、やはり馴染んだ家の味の味噌が一番と感じます。
個人的には断然名古屋の赤味噌派です。
原材料の違いによる味噌の種類
味噌は地方によって味、色などに違いがありますが、原料の違う味噌もあります。
上記では色の違いで説明をしましたが、原料の違いを紹介します。
麹の原材料の違う3種の味噌
麹による違いは大きく分けて3つあると言われています。
麹、糀(こうじ)とは、米、麦、大豆などの穀物にコウジカビなどの食品発酵に有効なカビを中心にした微生物を繁殖させたものである。コウジカビは、増殖するために菌糸の先端からデンプンやタンパク質などを分解する様々な酵素を生産・放出し、培地である蒸米や蒸麦のデンプンやタンパク質を分解し、生成するグルコースやアミノ酸を栄養源として増殖する。コウジカビの産生した各種分解酵素の作用を利用して日本酒、味噌、食酢、漬物、醤油、焼酎、泡盛など、発酵食品を製造する時に用いる(ウィキペディア)
味噌を作る上で欠かせないのは「麹」で、麹菌を繁殖させる穀物が「米」、「麦」、「豆」に分かれます。
米麹 | 蒸した米に麹菌を繁殖させたもの。 |
---|---|
麦麹 | 麦に麹菌を増殖させたものであるが、そのままの状態では麹菌が増殖しないため精白処理と蒸しを施す。 |
豆麹 | 豆に麹菌を増殖させたもので、タンパク質が多いため旨みの多い味噌が出来上がると言われている。 |
日本の味噌の8割は米味噌です。
日本でそれぞれの味噌がどこで作られるか、調べてみますと・・・
山口、四国の愛媛県と九州で麦味噌、東海地方(愛知、岐阜、三重)で豆味噌が作られていて、それ以外はほぼ米味噌です。上記でご紹介したように関西、関東で色や分量などの違いはでますが原材料はほぼ一緒ということになります。
味の違い
- 米味噌:甘口から辛口までいろんな味がありますが、米麹の割合が多いほど甘いと言われています。お米の甘みの量で決まるようです。
- 麦味噌:一般的には麦味噌は甘口で米味噌よりもあっさりとした、独特の香りと風味がするのが特徴と言われています。
- 豆味噌:一般的な味噌に比べて糖質が少ないため甘みが弱く渋みが強い味と言われていますが、料理にすると見た目ほど辛くもなくなります。
というわけで、全国的に米味噌が主流ということになります。
次は、個人的な好みによる味噌を使ったおすすめ料理をご紹介します。
おすすめの記事