今やマダイやハマチ、クルマエビなどの養殖魚は食卓を豊かにするのに欠かせない顔ぶれですね。ところがいわゆる養殖には、蓄養というものも含まれているのをご存知ですか?今回の「今さら聞けないチガイ」シリーズは「養殖」と「蓄養」の違いについてです。
養殖とは!?
養殖とは、卵から孵化させた魚を生簀や水槽で育てて大きくすることを指します。マダイやクルマエビなどは卵から孵化させているので養殖です。また、養殖で大きくした魚を親にして卵を産ませ、それを養殖に使うことを完全養殖と呼びます。話題の近畿大学の養殖マグロは、親を育てて卵を産ませるサイクルが確立した完全養殖というわけです。
蓄養とは!?
畜養とは、自然界から獲ってきた稚魚や痩せた魚に、生簀や水槽で餌を与えて大きくしたり太らせて出荷することを指します。たとえば土曜の丑の日で有名なウナギも、養殖物とは言いながら実際には天然のシラスウナギを捕獲して育てているので畜養に当たります。そのほか、ハマチや完全養殖以外のマグロなども、天然の稚魚を育てる畜養です。とはいえ、日本農林規格(JAS法)では餌を与えて育てる行為はすべて養殖と定義されています。そのため、スーパーの店頭などでは養殖と畜養が区別されることなくすべて養殖と表記されているんですね。
養殖と蓄養の違いまとめ
- 養殖は卵から孵化させた魚を大きく育てること
- 蓄養は天然の稚魚などを捕まえてきて大きく育てること
- どちらも日本農林規格(JAS法)では養殖と分類される