リールとは?
リールとは釣り竿(ロッド)に取り付けて釣り糸(ライン)を巻き取るための釣り具です。もともと釣りの始まりはリールを使わない延べ竿でしたが、リールの発明で遠くに仕掛けを投げることができるようになりました。
リールにはスピニングリール・ベイトリール・フライリールや電動リールなどの種類がありますが、ここでは主に使われるスピニングリールとベイトリールの2種類について解説していきます。
共通事項
機能
スピニングリール・ベイトリールともにハンドルを回してスプールと呼ばれる糸巻きにラインを巻き取っていきます。スプールにはドラグという機能が付いていています。ドラグは魚が掛かったとき、一定以上の力でラインが引っ張られるとスプールを逆回転させて糸を出し、ラインが切られないようにする機能です。ドラグの効き具合の調整にはドラグノブ・スタードラグを回します。
一部のリールには本体の材質の関係上、淡水専用の機種があります。とくに但し書きがなければ淡水・海水両方で使用できます。
メーカー
日本でリールを販売している代表的なメーカーとして、シマノ・ダイワが挙げられます。ほかノンブランドのリールも安く売られていますが、比較すると糸がドバっと出て絡まってしまうバックラッシュなどライントラブルが少ないのが一番の長所です。
有名メーカーは長年、トラブルが少なく安心してリールが使えるよう研究を重ねているんですね。またリール自体の耐久性も段違いです。初めてのリールにはぜひ有名メーカーの商品を選んでください。
グレード
リールをお店で見ると数千円から数万円まで価格の幅が広くて何が違うんだろうと感じる人も多いと思います。どのメーカーも入門モデルから高級モデルまで何段階かのグレードがあります。あとは汎用モデルと専用モデルですね。
リールの高級モデルには最新の技術が導入され、入門モデルには数世代前の技術を反映していることが多いです。そのほか部品の材質や精度も異なるのですが、大雑把に言うと高級モデルは使い込んでも劣化しにくくく、最初の性能を長く保てる傾向にあります。また軽量ですね。
とはいえ有名メーカーのリールなら入門モデルも十分機能的で丈夫ですから、予算と相談して選べばよいでしょう。
- シマノ・ダイワが代表的なリールのメーカー。どちらかのメーカーの商品を選ぶと安心。
- リールには数段階のグレードがある。シマノ・ダイワの商品であれば入門モデルでも高性能。
- リールには一部淡水専用モデルがある。
スピニングリール

スピニングリール各部解説
スピニングリールはロッドの下にぶら下げるようにして取り付けるリールです。スピニングリールはスプールの周囲をローターが回転し、ラインローラーを介して糸を巻いていく構造です。仕掛けを投げるとき(キャスト)にはベールを起こし、ラインローラーから糸を外してやります。
スピニングリールはハンドルを左右に付け替ることが出来き、通常右利きの人は左ハンドル、左利きの人は右ハンドルで使います。
どんな釣りに向いてるの?
スピニングリールはライントラブルの起きにくいリールで、初心者でも安心して使えます。キャスト時は糸が自由になるので飛距離が出やすいリールです。また巻取りも早いことから投げ釣りにはスピニングリールが向いています。初めての釣りには扱いやすいスピニングリールを選びましょう。
スピニングリールはベイトリールと比べてドラグ性能が良いので、細い糸を使った繊細な釣りにも向いています。反面、ベイトリールと比べるとラインローラーを介してラインを巻き取る構造から巻き上げる力がすこし弱いです。また太いラインを使うと飛距離が伸びないのも短所でしょうか。
選び方
スピニングリールは糸を巻く量と、ボディの大きさを番手と呼ばれる4桁の数字で表します。番手が大きくなるほど糸巻き量が増え、ボディも大きくなります。釣りによって適切な番手が違うので、下記の表を参考に選びましょう。
初めてのスピニングリールには2500~3000番を買っておけば、ちょい投げからサビキ釣りまで幅広く使えますよ。
スピニングリール番手と適した釣り
番手 | 糸巻き量 (ナイロン) |
適した釣り |
---|---|---|
1000番 | 1.5号/130m | メバル・アジなど小型魚のルアー |
2000番 | 2号/150m | メバル・アジ・トラウト・ブラックバス |
2500番 | 2.5号/150m | イカ・スズキ・クロダイ・ちょい投げ・サビキ |
3000番 | 3号/150m | スズキ・小型青物・ちょい投げ・サビキ |
4000番 | 4号/150m | スズキ・青物・投げ釣り |
5000番以上 | – | 船からのジギングなど |
- スピニングリールはハンドルを左右付け替えることができる。
- スピニングリールは飛距離を出しやすく、ベイトリールと比べドラグ性能が良い。
- はじめて使うリールにはスピニングリールがオススメ。
初めてのスピニングリールにオススメの機種
どちらのスピニングリールも、最初からラインを巻いてある機種で手元に届いてすぐ使えます。どちらも上位機種と同じライントラブルを防ぐ機能が搭載されているので安心ですね。
ベイトリール

ベイトリール各部解説
ベイトリールは正式にはベイトキャスティングリールと言い、ロッドに対して上側に取り付けます。スピニングリールと違ってハンドルとスプールがギアを介して繋がっており、ハンドルを回すことで直接スプールを回転させラインを巻き上げます。このときレベルワインダーが一定のスピードで往復することで、スプールへラインを均一に巻きつけます。また仕掛けを落としたりキャストする際にはクラッチを押してスプールとギアの連結を切り、親指でスプールの回転を操作しながらラインを出します。
スピニングリールには無い機能として、キャスト時にスプールが過剰に回転しラインが絡まるバックラッシュを軽減するためメカニカルブレーキと、スプールにもブレーキ機能が搭載されています。
とはいえベイトリールでのキャスティングはバッシュラッシュの危険があり技術を要することから上級者向けです。またあまり軽量な仕掛けをキャストすることは苦手なリールです。まずはスピニングリールで釣りに慣れてからの使用をオススメしますよ。ベイトリールは構造上ハンドルの左右付け替えができません。購入の際にはハンドルの向きにご注意ください。

ベイトリールに搭載されているブレーキ機構
どんな釣りに向いてるの?
ベイトリールはスピニングリールと比べラインを巻き上げる力が強く、岩場や障害物の多い場所で根魚やブラックバスを狙うとき、障害物に巻かれないよう太いラインで一気に引き剥がすような釣りに使用されます。そのほか、船から真下に落とし込む釣りではクラッチを切る動作だけで糸を出せることや、スピニングリールと比べオモリの着底が分かりやすいことから利用されます。
選び方
ベイトリールは2~3桁の数字で番手を表しますが、メーカーによって表記が異なるためスペックをよく確認して機種を選びましょう。ベイトリールはスピニングリールと違ってボディの大きさについてはあまりバリエーションがなく、糸を巻ける量によって番手が異なります。
- ベイトリールはスピニングリールより巻き上げ力が強い。
- キャストにはバックラッシュの危険があり慣れと技術が必要。
- ベイトリールはハンドルの左右付け替えができない。
- ベイトリールはある程度釣りに慣れてから導入しよう。
初めてのベイトリールにオススメの機種
初めてベイトリールを扱う人にもオススメの、トラブルの少ない機種を選んでみました。スピニングリールと比べると価格と扱いやすさが比例することが多く、すこし価格帯がお高くなりますね。