アクアリウムハジメマシタ!!

「前略」と「拝啓」の違いをご存知ですか!?

手紙を書く機会が、近年メールやSNSの広がりで個人的にも世間一般からも減っているのを感じています。しかし、学生などでは就活の中で会社訪問、内定などのお礼状、仕事になれば会社名でのお客様への挨拶・お礼などで、手書き、PCからのプリンター出力のどちらにしても、手紙の形式というのはマナーとして守らないとならないと思います。
さてそんな手紙の形式に書き始めの頭の言葉に前略と拝啓とありますが、みなさんその違いをご存知ですか!?ということで今回の「今さら聞けないチガイ」シリーズは前略と拝啓の違いについてです。

前略とは!?

手紙を書く際、よほどの親しい間柄でない場合の文書は「頭語」「結語」をつけるのが基本です。

前略とは、文書の頭につける「頭語」にあたり、文字通り「前文(時候の挨拶)を略します」という意味があります。

前文=時候の挨拶は「早春の候や仲秋の候」などの漢語表現のものや、「春めいた気候が続く今日この頃」「朝夕冷え込む季節になりました」などの季節感を込めた挨拶になります。他には、「平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。」などの感謝の意を伝える言葉なども含みます。

上記のような前文を使うと、改まった印象が強いことや、手紙の内容によってはいち早く内容を伝えた方が良いこともあるため、そんなときに使えるのが「前略」という頭語になるそうです。ですが、時候の挨拶を「省略する」という意味では目上の方に対しての文書の場合、失礼にあたるため「前略」は使わない方がいいと言えるでしょう。

「前略」という頭語には「草々(そうそう)」という結語を使うと決まっていて、「前略→(用件)→草々」とするのが一般的です。「草々」とは「慌ただしく手紙を終えます、お許しください」という意味の結語です。

拝啓とは!?

拝啓とは、やはり文書の頭語にあたる言葉で、「拝」は「お辞儀」や「伏して」、「啓」は「述べる」や「申し上げる」という「伏して申し上げます」という意味があり、ビジネス的な一般的対外用文書として基本の頭語にあたります。

拝啓」は、上記の、前文=時候の挨拶の前に記述し、その間には句点や読点などは入れないとされています。例えば、

拝啓 仲秋の候、平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。貴社におかれましてはますますご清栄の段、お慶び申し上げます。

など、慣用句のような一文として「拝啓」などの頭語 → 時候の挨拶 → 感謝の意や先方の繁栄、健康を喜ぶ言葉を順に述べるのが、文書における書き出しの基本の挨拶です。

拝啓」という頭語には「敬具(けいぐ)」という結語をつけるのが決まりです。「敬」は「うやうやしく」「他人を尊んで自分の挙動をつつしむ」、「具」は「詳しく申し立てる」「つぶさに」という意味で、「敬意を表してつつしんで申し上げた」ということになります。

さらに改まった相手には、頭語は「謹啓」、その結語は「敬白」という言葉などもあるので、「拝啓」「敬具」はマナーとして、そしてビジネスとしては一般的な言葉と言えるかもしれません。

尚、メールなどの文書にはこの頭語のような言葉はあまり使用せず、「いつもお世話になっております。」などの挨拶から始めるのが一般的なようです。

前略と拝啓の違いまとめ

  • 前略は、季節の言葉や感謝などの言葉を省略するという意味で、親しい相手に使用できる頭語
  • 拝啓は、丁寧な頭語でありこの後に時候の挨拶、感謝の意、繁栄、健康の言葉などを続けて文書の上で儀礼的な基本の挨拶になる
  • 前略は、目上の相手には使わないのがマナー

観てもらいたい動画!!