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海水アクアリウムをできるだけ低予算ではじめる方法|自宅で90cm水槽を使った迫力の自分水族館 

海水アクアリウムをできるだけ低予算ではじめる方法 自宅で90cm水槽を使った迫力の自分水族館 

コロナウイルスの問題で外出を控えている方も多いと思います。また、学校が臨時休校になりお子さんの勉強が心配だって親御さんもおみえだと思います。

もちろんオンラインでの授業をはじめとした勉強も頑張っていただきたいところではありますが、この機会に情操教育の一環としてご自宅でアクアリウムをはじめてみるのはいかがでしょうか?

ということで今回はできるだけ低予算でできる自宅でのアクアリウムの始め方です。海水魚対応で始めたのも原因ですが、低予算とはいっても最低限の機能やクオリティを求めていくとそれなりの金額にはなります。でも、はっきりいって楽しいです。

水槽

まずはすべての基本となる水槽の大きさを決めましょう。水槽は大きければ大きいほど水量が多く、水質が安定するので魚の飼育がしやすくなります。また飼育する生き物の大きさにもよって水槽の大きさを決めていきます。

水は1L≒1kgになるのであまり水槽を大きくすると床の耐荷重を考える必要も出てきます。床の耐荷重が低い建物だとフローリングの沈み込みなどが起こることもあって、とくに賃貸物件にお住まいの方は気になるところですね。

大きさと重量、水質の安定性を考えて一般家庭ではおおむね60cm~90cmの水槽がオススメです。今回は将来的に20cm程度の魚を1~2匹飼育することを目標に、90cm規格とよばれる幅90cm×縦横45cmの水槽セットを使用しました。

また水槽の材質はガラスとアクリルが主で、アクリル水槽は軽く衝撃に強いですが高価なためガラス水槽を選択しました。

一般的なガラス水槽規格

サイズ 大きさ
横×奥行き×高さ(cm)
水量(L)≒重量(kg)
30cm(S水槽) 31×19×24 14
36cm(M水槽) 36×22×26 20
40cm(L水槽) 40×25×28 28
30cmキューブ 30×30×30 27
45cm 45×24×30 32
45cmキューブ 45×45×45 91
60cm 60×30×36 64
60cmワイド 60×45×45 121
90cm 90×45×45 182
120cm 120×45×45 243
  • 水槽は大きければ大きいほど水質が安定する
  • 水は1L≒1kgと思ったより重たい
  • 置き場所と水質の安定を考えて60cm~90cmの水槽がオススメ
簡単解説水槽の選び方!|アクアリウムを始めるための初心者マニュアルvol.001 簡単解説水槽の選び方!|アクアリウム初心者マニュアルvol.001

水槽台

水を張った水槽は中に入れる砂利や石などを含めると60cm規格水槽で約70kg90cm規格水槽では約200kgとかなりの重さになります。

カラーボックスや下駄箱、テーブルなどはこの重さに耐えられず水槽が倒れる危険性が大です。また一時的に耐えられたとしても台の歪みから水槽の水漏れ事故のもとになるので専用の水槽台を使用しましょう。

水槽台は骨組みだけのリーズナブルな価格のアングル台や、多少高価ですがオシャレな家具調のキャビネットがあります。

とくにキャビネットは水槽下に外部式ろ過器やその他の水槽用品をスッキリと収納できるのでオススメできます。今回はブロックと十分な厚みのある合板を使い水槽台を自作していますが、もし真似をされる場合は自己責任で制作・使用して下さい。

  • 水槽の破損、水漏れを防ぐためにも専用の水槽台を使用しよう
  • 水槽台にはアングル台とキャビネットがある
  • キャビネットは水槽周りがスッキリとしオシャレでオススメ

ろ過器

実は水槽だけでは魚を飼うことはできず、水を浄化するろ過器が必要となります。水槽に泳がせた魚はおもにオシッコとしてアンモニアをたくさん放出します。また糞や残った餌も分解されてアンモニアに変化します。

アンモニアは強い毒性があり、そのまま放おっておくとどんどん水槽中のアンモニア濃度が高くなって魚が中毒死してしまうんですね。なのでアンモニアによる中毒死を防ぐためにろ過器を使用します。

ろ過器は水を浄化し、安定して魚を飼育するために必要な装置です。いわば魚にとっての生命維持装置なんですね。ろ過器の機能は魚が出す糞やゴミを濾し取る物理ろ過と、糞尿や餌の残りから発生する有毒なアンモニアを微生物の力で分解する生物ろ過の組み合わせで出来ています。

ろ過器には「外部式」「上部式」「外掛け式」「投げ込み式」「底面式」など多数の方式があり各水槽用品メーカーが日夜研究を重ね高性能な商品を開発しています。ろ過器の能力は構造と容量によって決まりますから、はじめての海水魚飼育には容量の大きく水質の安定しやすい外部式ろ過器上部式ろ過器がオススメです。今回は水槽セットに含まれている上部式ろ過器を使用し、ろ過材には大粒のサンゴ砂を採用しました。

上部式ろ過器 外部式ろ過器 外掛式ろ過器

物理ろ過とは

物理ろ過は水槽の中で発生する目に見える大きなゴミを、ウールマットスポンジを使って濾し取ります。物理ろ過は生物ろ過より前に取り付けて大きな汚れが流れてろ過材が目詰まりするのを防ぐ役割があります。

市販のろ過器ではたいてい物理ろ過と生物ろ過が一体型になっていますね。また外掛式ろ過器や投げ込み式ろ過器など小型のろ過器では物理ろ過と生物ろ過が兼用になっていることが多いです。物理ろ過に引っかかった汚れはそのままにしておくと分解されて水に溶け込み水質悪化の原因になります。汚れたらその都度きれいに洗いましょう。

生物ろ過とは

ろ過器の中に充填したサンゴ砂ガラスろ材など、多孔質で表面積の広いろ過材に微生物を住み着かせ有害なアンモニアを分解します。アンモニアは微生物の働きにより
アンモニア→亜硝酸塩(あしょうさんえん)→硝酸塩(しょうさんえん)
の順に比較的無害な硝酸塩に分解します。

つまり生物ろ過こそろ過器の心臓部、もっとも大切な部分なんですね。アンモニアを分解する微生物のことを硝化細菌(しょうかさいきん)といいます。硝化細菌は増えるスピードが遅く、十分にろ過器が機能するには1ヶ月~3ヶ月は必要になるので、この間水槽に入れる魚を控えてろ過器に硝化細菌を定着させる工程を、一般的に「水槽の立ち上げ」という言い方をするんですね。

ろ過材に住み着かせた微生物は環境の変化に弱いので、極力掃除は控えましょう。ゴミでろ過材の目が詰まったときだけ、水槽の水を使ってゆすぐ程度にかるく洗います。

ウールマット ガラスろ材 大粒サンゴ砂
  • ろ過には物理ろ過と生物ろ過がある
  • ろ過器の心臓部は生物ろ過
  • 硝化細菌を定着させる工程が「水槽の立ち上げ」
簡単解説濾過器の選び方!|アクアリウムを始めるための初心者マニュアルvol.002 簡単解説濾過器の選び方!|アクアリウム初心者マニュアルvol.002

ヒーター

熱帯魚を飼育するときはもちろん、日本の魚を飼育するときも水温を安定させるためヒーターが欠かせません。

水温の上がり下がりがはげしいと魚の体力が落ちて白点病などの寄生虫による病気のもとになるんです。

水槽用のヒーターは主に「オートヒーター」「サーモスタット+単体ヒーター」の2種類があります。水槽用ヒーターの容量(能力)はWで表されていて、水量に対して適切なW数の商品を選ばないと思い通りの水温を維持できません。

希望の水温が維持できているのか確認するためにかならず水温計を取り付けましょう。

オートヒーター

あらかじめ決められた水温を維持するヒーターです。商品によって26℃固定や23℃固定のヒーターなどがあります。水温を調整することが無いのであればこちらがオススメです。

サーモスタット+単体ヒーター

サーモスタット(温度調節器)と単体のヒーターを組み合わせて使用します。オートヒーターと比べて高値ですが魚種に合わせて水温調整ができることが利点です(水温を下げることはできません)。今回はサーモスタット+単体ヒーターの容量300Wの商品を選択・使用しました。

オートヒーター サーモスタット+単体ヒーターセット 水温計

ヒーター容量目安

容量(W) 適正水量 水槽目安
50W以下 10L以下 30cm以下
75W 30L以下 40cm以下
100W 35L以下 45cm
150W 60L以下 60cm
200W 100L以下 45cmキューブ~60cmワイド
300W 150L以下 90cm
  • ヒーターは水を温めることはもちろん、水温を安定させるためにも必要
  • ヒーターの種類にはオートヒーターとサーモスタット+単体ヒーターがある

照明

水槽に取り付ける照明は水槽内を美しく見せるだけではなく、魚の生活サイクルを整えストレスを減らすためにも必要です。またサンゴイソギンチャクの一部のグループは体内に褐虫藻という藻の一種をが共生しており宿主に栄養を供給しているので強力な照明が必要になります。魚の飼育だけならコケの発生を防ぐためにもあまり強い照明は必要ありません。

照明にもランプの種類によってさまざまな商品がありますが、最近は省エネで発熱の少ないLEDが主役ですね。今回は魚の飼育だけの予定なので水槽セットに入っていたLED照明をそのまま使います。照明のON/OFFを市販のタイマーで制御すると点灯消灯の手間がなく魚の生活サイクルも崩れないので便利です。

海水魚を飼育するときには青色の混ざった照明を使うと、水の黄ばみも目立たず海底のイメージ演出に一役買ってくれますよ。

LED照明 タイマー
  • 照明は魚の生活サイクルを整えるのに必要
  • 最近は省エネなLED照明が主流

人工海水

海水魚を飼うためにはもちろん海水が必要になります。海水なら海から汲んでくればいいのでは?と思われる方もいるかもしれません。実は海から汲んできた海水は雑菌寄生虫、さらには水質汚染のリスクが高く、人工海水というその名の通り人工的に調合した海水を使用することが一般的なんですね。

人工海水は粉末状の素を水道水に溶かして簡単に作ることができます。市販の人工海水は多くのメーカーから販売されていて、どのメーカーも海水の成分を研究し可能な限り海水を再現できるようにできています。ただ人工海水の中には飲食店の生け簀用など業務用途に開発された低コストな商品もあり、そういった人工海水は成分の一部を省略したり安価で品質に心配のある原料を使っている可能性があります。

安価な人工海水と通常の人工海水を比べて何が問題になるかというと、魚の飼育をする場合には大差無いのですが、エビ・カニやサンゴ類などの無脊椎動物を飼育した場合にジワジワと弱って死亡するということが発生することがあります。この原因にはたいていの場合製造が中国で原料の安全性に問題があることと、無脊椎動物に必要な微量元素を省略、あるいは減らしているという2点が予想されます。

こ粗悪な人工海水を避けるため、ほかの人工海水より極端に安いものや業務用とされているもの、無地のパッケージでメーカー名が不明な商品などは選ばないようにしましょう。

人工海水の作成には海水濃度を計るための比重計が必要です。比重計にはお手頃価格なフロート式、少し高価ですが正確な屈折式・デジタル式があります。人工海水を水道水に溶かす量はパッケージに規定量が書かれているのでハカリを使って正確に溶かしましょう。人工海水がキレイに溶けて水が透明になったら比重計で1.024を目標に調整します。魚を飼育する場合は多少アバウトに1.020~1.024の範囲に収まればOKです。

人工海水 フロート式比重計 屈折式比重計
  • 海の水を使用するのはリスクがあるので人工海水を使うことが主流
  • 人工海水は高品質なものを選ぼう
  • 人工海水の濃度調整には比重計を使う

レイアウト用品

水槽だけでももちろん魚の飼育はできるのですが、やはり美しく飾り付けてインテリアとしても楽しめるようにしたいですよね。

石など隠れ家になる物を水槽に入れてやると魚のストレスも減りより自然に近い姿を見せてくれると思います。

海水水槽のレイアウトには定番のサンゴ石や、ライブロックという天然の海からとってきた岩を使うことが多いです。ライブロックは海からとってきた岩をそのままの状態で販売されていて、プランクトンやエビ、ときには小さなサンゴが住み着いていることもあります。

ライブロックは硝化細菌などろ過に有益な細菌も豊富に付着しています。今回も水槽のろ過機能が早く立ち上がることを期待してレイアウトに使用しました。

ほかにも人工的に作られた水槽用オブジェも市販されているのでお好みで使用しても面白いですね。

  • レイアウトは見た目だけではなく魚の隠れ家になりストレス軽減に有効
  • 海水水槽では海から採ってきたライブロックという天然石を使うことが多い

底砂

水槽の底に砂を敷くことで、より自然に近い風景や環境を再現できますね。海水水槽にはサンゴ砂を使うことが定番です。サンゴ砂はきれいな白色でサンゴ礁の風景を美しく再現できます。

サンゴ砂水が酸化してきたときには水に溶け出しpHを高く維持するバッファー効果も持っています。サンゴ砂は見た目だけでなく水槽を維持する機能も持ち合わせた便利なアイテムなんです。

サンゴ砂には砂粒の大きさにバリエーションがあり、パウダー状から小豆大の大きさまで市販されています。パウダー状のサンゴ砂は自然な感じでとてもキレイなのですが、水槽の特に砂の中の汚れを掃除をするときに軽くて舞ってしまうため扱いが少々難しいです。

サンゴ砂を敷く厚みですが、あまりにぶ厚く敷くとサンゴ砂の中にゴミが溜まり水質が悪くなったり、ときには人体にも有害な硫化水素ガスが発生することもあります。今回はメンテナンス性を優先して小豆大のサンゴ砂を、水槽の底がうっすら隠れる程度に敷き詰めました。また自然な雰囲気を演出しようと思い、ろ過材に使った大粒サンゴ砂の余りをすこし混ぜています。

  • 海水水槽には水の酸化を防ぐサンゴ砂を使おう
  • サンゴ砂は厚く敷くとゴミがたまったり硫化水素ガスが発生することもある

オプション

クーラー

予算に余裕があれば是非取り付けたい機器として水槽用クーラーがあります。いくら熱帯魚といえども、日本の夏は熱すぎるので水槽用クーラーで水温を下げる対処をしないと乗り越えることは難しいです。

水槽の水温が高くなると水に溶け込む酸素が少なくなり魚が酸欠状態になったり、生物ろ過を行う硝化細菌も酸素が不足してろ過能力が落ちたりといった問題が発生します。水温の上がりすぎを防ぐために水槽用クーラーを取り付けると一年を通して安定した魚の飼育ができますね。

市販されている水槽用クーラーには主に「チラー式」「ペルチェ式」「冷却ファン」の3タイプがあります。「チラー式」「ペルチェ式」「冷却ファン」それぞれ適材適所があるのでその特徴を解説していきます。

チラー式クーラー

価格は高価ですが3タイプのクーラーの中でもっとも冷却能力に優れています。適正な機種を選定すれば水量の多い大型の水槽でも問題なく冷却が可能です。

水槽とポンプ・ホースを使ってクーラーに水を循環させることで冷却します。また冷却効率の良いクーラーなのでランニングコストも比較的抑えられます。

ペルチェ式クーラー

ペルチェ素子という部品をつかったクーラーで、使用方法はチラー式クーラー同様に水槽とポンプ・ホースを使ってクーラーに水を循環させることで冷却します。

チラー式クーラーと比べて安価なことから気軽に導入できるクーラーですね。能力的には~60cm規格水槽までの小型の水槽に向いています。

冷却ファン

水面に向けてファンを回し、風による気化熱で水温を下げるクーラーです。

水槽の上にファンを設置するだけなのでもっとも安価でお手軽なクーラーですが、あまり能力は高くなく3℃程度しか水温を下げることができません。

冷却の仕組みから水の蒸発が激しく、塩分濃度が濃くなってしまう海水水槽にはあまり向いていませんね。海水水槽にはチラー式クーラーかペルチェ式クーラーをオススメします。

  • 水温が高くなりすぎると魚はもちろん、ろ過機能にもダメージがある
  • 水槽を冷やすクーラーには3方式があるので、目的にあった方式を選択する

動画解説

水槽セッティングから水を張るまでの作業を動画にまとめました。ぜひ見てみてくださいね。