アクアリウムハジメマシタ!!

水槽の照明ってどんな種類があるの??メリット・デメリットまとめてみた

水槽の照明ってどんな種類があるの??メリット・デメリットまとめてみた

アクアリウム水槽にはかならず設置したい照明。水槽の中身を美しく表現することはもちろん魚の生活リズムを整えたり、水草や好日性サンゴにとっては光合成になくてはならないアイテムです。でも飼育する対象となる生き物や水槽のサイズによって適当な照明が変わってくるんです。今回はそんなアクアリウムで使用する水槽用の照明について、種類ごとに解説していこうと思います。

LED

光源にLEDを使った水槽用照明はこの5年ほどで爆発的に普及し、かつて主流であった蛍光灯タイプの照明をほぼ駆逐してしまいました。LEDは蛍光灯と比較して約1.6倍と高い発光効率を誇り省エネな光源です。かつてのLED照明はチップ1つあたりのワット数が低く、水槽の照明に使えるほど明るい商品はありませんでした。ところが近年、1チップで数ワットという高出力LEDが実用化されたことで水槽用として十分な明るさを取れるようになったんです。

また、以前は演色性といって照らされた対象を鮮やかに見せる性能が蛍光灯より低かったのですが、近年研究が進み演色性も蛍光灯と大差無くなりました。さらにLEDのもう一つの特徴として、特定波長のLEDチップを製造できることから、複数のLEDチップを組み合わせて飼育する対象に合った最適な照明を作ることができます。

小型水槽用の小型の照明から、水草の光合成を促す波長と大出力を持った大型の照明、また好日性サンゴの光合成を促したり蛍光色を美しく発色させることができる商品もあります。LED照明の形状は、アーチ状に水槽上部に渡す商品と、電球のソケットに取り付ける商品の2種類に大別されます。電球ソケットに取り付けるタイプはクリップ式のソケットを利用でき、自由に照明を配置できることからアクアテラリウムなどのオープンアクアリウムに最適でしょう。

LED照明の性能は搭載するLEDチップに左右されます。米Cree社のチップが高性能長寿命と言われていますが、チップの寿命は本体の放熱設計で大きく代わります。多少値段が高くともしっかりとしたアクアリウムメーカーの商品を選ぶことが間違いが無いでしょう。

LEDのメリット

  • 省エネで明るい=電気代が安い
  • 長寿命(蛍光灯約6,000時間に対して30,000時間以上)
  • 本体がスリムで軽量
  • 点光源なので水面の揺らめきが美しく表現できる
  • 熱の放出が少ない

LEDのデメリット

  • 球切れの際に本体ごと交換の必要がある
  • 対象種によって球を換えることができない
  • 蛍光灯と比較して比較的高価

蛍光灯

蛍光灯はかつてはアクアリウムの水槽用照明としてはスタンダードで爆発的に普及していました。しかし先に挙げたLED照明に取って代わられて今では数えるほどの商品しか販売されていません。蛍光灯タイプの照明は演色性が高く、水槽の中を鮮やかに映し出すことに長けています。また蛍光灯はW数などサイズが合っていれば球を交換することで様々な色に変更することが可能で、魚種や水草用など専用波長の蛍光灯が多数販売されています。

一方、蛍光灯の管は規格が決まっており水槽の横幅でサイズが決まることから自ずと出力には限界があり、水草の栽培はともかく好日性サンゴを飼育するには能力不足は否めません。一部T5管というスリムで高出力な蛍光灯を使ったサンゴ専用照明もありますが、蛍光灯としては非常に高価で一般的には普及しませんでした。

蛍光灯のメリット

  • 管を交換して様々な種類の動植物の飼育に対応可能
  • 演色性が高い
  • 球切れを除くと本体の故障は少なく長く使える

蛍光灯のデメリット

  • 水槽サイズで出力が限定される
  • 好日性サンゴの飼育には不向き
  • 比較的球の寿命が短い
  • 水槽の上部を覆うように取り付ける機種が多く、熱が籠もりやすい

メタルハライドランプ

メタルハライドランプはかつて水草や好日性サンゴなど、広波長で高出力な照明を必要とする種類を飼育する水槽用として普及していました。かつては「いつかはメタハラを導入するんだ!」と憧れる機材でしたが、こちらもLEDに取って代わられてしまいました。2020年現在では水槽用の新製品はほとんど販売されておらず、また製造もないようです。

メタルハライドランプは大消費電力大出力の非常に明るい照明であり、また光の波長がフルスペクトルと呼ばれる太陽光に非常に近いものであることから、光合成を必要とする動植物には最適な照明です。ただ、大消費電力で発熱もかなり出ることから水槽用クーラーとの組み合わせが必須になります。

また点灯中の灯具に触れると火傷を負うほど熱くなります。ただ点光源で太陽に近い光であることから水のゆらぎなどはとても美しく表現できる魅力的な照明でもあります。メタルハライドランプはその構造上、突入電流といって電源始動時に高い電流が流れます。そのためタイマーを使う際には対応品を使わないと接点が焼けてくっつき動作不良を引き起こします。

メタルハライドランプのメリット

  • 光の波長が太陽光に近く、光合成する動植物には最適
  • 点光源で水のゆらぎがとても美しい
  • 球の寿命が9,000~16,000時間と比較的長い

メタルハライドランプのデメリット

  • 発熱量が多く水槽用クーラーの使用が必須
  • 照明器具が熱くなるので火傷の恐れがある
  • 新製品がほどんど無い
  • タイマーと接続する場合には対応機種が必要