前回のお米のこと、専門家に聞いてみた vol.001ではお米の選び方って??どんな種類や基準があるの??ということで主要なお米の品種やブランド、美味しさの基準について教えてもらいました。お米の選び方でもご飯の味はもちろん変わるんですが、どうやら保管方法や炊き方にも美味しく頂く秘密があるようなんです。
というわけで今回のお米のこと、専門家に聞いてみた vol.002ではお米の保存方法って?美味しく炊くにはどうするの??ということで、またまたお米の専門家にお話を聞いてきました。
お米の専門家って??
今回、名古屋市東区のお米屋さん株式会社丸二商店の三代目店主、岩田さんに色々とお米のことを教えて頂きました。丸二商店さんは地域密着で70年以上続くお米屋さんで、いろいろなお米を味わってほしいという思いから50gと少量から量り売りもして頂けます。またお餅や五平餅の店頭販売もされていてこちらも絶品ですよ!!
丸二商店さん
お米の保存が悪いとどんなことになるの??
お米は備蓄の出来る食材ですが、それは玄米の状態で適切な保存方法を取った場合のことです。お米はとくに精米後は劣化しやすくて、常温に放置していると乾燥が進んで炊いたときに本来の粘りが出なかったり、臭いがついてしまうことがあります。その他、お米の保存が悪いと発生する困ったことをまとめてみました。
お米の保存が悪いと・・・
- ・乾燥が進んで粘りが出なかったり、酸化して本来の味香りが損なわれる。
- ・臭いが強い物の近くや環境で保管すると臭いが移ってしまう。
- ・高温で多湿の環境だと害虫が発生しやすくなる。
- ・日光や風を浴びると乾燥が進んでお米がひび割れ、炊いたときにベトつく。
- ・水濡れしたまま放置するとカビが生える。
- ・米びつをマメに掃除しないと害虫が発生しやすくなる。
丸二商店さん
お米の保存って?どこに仕舞うのがいいの??
お米の生産者さんや丸二商店さんのような取り扱い業者さんは玄米の状態でお米専用の保管庫に仕舞うことで劣化を防いでいます。ところが一般家庭に届くときには精米されているので、常温だと余計に早く劣化が進むんですね。お米の理想的な保管環境は、お米の酸化やカビ・害虫の発生を防ぐため10℃前後の冷暗所が理想的です。
一般家庭でよく米びつに入れた上で台所の流しの下に仕舞うことがありますが、とくに夏場は高温多湿になってお米の保管場所としては適していません。一般家庭で10~15℃の冷暗をキープできる場所といったらそう、冷蔵庫の野菜室ですね。お米も他のお野菜と同じように野菜室に入れることが一般家庭ではベターな保存方法です。
また冷蔵庫に保管する際には空気に触れると乾燥が進んでしまったり、周りの臭いを吸ってしまうので小分けにして密封しましょう。とくに冷蔵庫の冷風に直接晒されると猛烈に乾燥が進んでしまいます。ペットボトルやジップロック、タッパーなどの密閉容器が小分けに便利ですね。最近市販されている真空容器があるとなお良いでしょう。
丸二商店さん
お米に賞味期限ってあるの??
市販のお米はとくに賞味期限は記載されていませんよね。実はお米には賞味期限の記載義務は無くて、精米年月日が記載されています。野菜も賞味期限ではなく採取日が記載されていますから、お米は野菜と同じく生鮮食品ということなんですね。とはいえ美味しく頂ける目安はあって夏場は2週間、冬場は1ヶ月程度が賞味期限と言えます。とくに夏場の暑い時期にはお米の水分量が減りやすく、炊いた時にパサついた食感を感じやすいので短くなります。
丸二商店さん
お米の炊き方って?どんな工夫ができるの??
お米の研ぎ方
お米を炊く前、水に白濁りが無くなるまでしっかりと研いでいませんか?実は濁りが無くなるまで研ぐと洗いすぎなんです。お米を研いだときの水の白濁のは溶け出したデンプンです。デンプンはお米の粘りやうま味の元ですから濁りが無くなるまで研ぐと美味しさが損なわれてしまいます。
昔は表面に残った米ぬかを削り取るためギュッギュと力を入れて研ぐ必要がありました。現代では精米技術の向上でほとんど米ぬかがお米の表面に残らなくなったので、力を入れて研ぐ必要はありません。さっとぬかを洗い流す程度で良いんです。
美味しく炊けるお米の研ぎ方
- 最初の一研ぎはお米がもっとも吸水するタイミングです。水と一緒に臭いなどを吸わないよう手早くサッと濯ぎましょう。
- 2度目からは手を野球ボールを掴んでいるような形にして、かき混ぜるようにサッサと洗います。力を入れる必要はありません。
- 3~4回ほど洗ったら完了です。水が透明になるとやり過ぎなので注意!
お米をより美味しく炊く炊飯器の使い方
最近の炊飯器はご飯硬め、柔らかめなどお好みに合わせて自動で炊飯してくれたりと非常に高性能になっていますよね。また誰が使っても安定した味を再現してくれます。でも、炊飯器にお米をセットするときにも一工夫加えることでさらに美味しいご飯が炊けるんですよ。
お米を炊く前の吸水の工程が、炊飯器で美味しく炊き上げるコツです。お米を研いだあと、夏場は30分、冬場は1時間ほどしっかりと水に浸けて吸水させましょう。しっかり吸水したお米は炊いたときのふっくら感が違います。また炊く時に使う水にも一工夫です。とくに夏場ですがお米を炊くときに使う水の水温が高いと早く炊けてしまって、しっかりと水を吸うことができずご飯にパサつきを感じてしまいます。炊飯器にセットする際氷を数個入れたり、冷蔵庫でしっかり冷やした水を使って冷水からじっくり炊くとより美味しくなりますよ。
炊飯器でお米を炊くときのポイント
- 炊飯前には夏場30分、冬場1時間ほどしっかりと吸水させる。
- 冷水を使ってじっくりと炊飯する。
- 氷を入れたり冷蔵庫で冷やした水を使おう。
丸二商店さん
炊飯器と土鍋、やっぱり土鍋が美味しいの?
一般のご家庭では手軽な炊飯器を使われてる方が多いですよね。しかし昔ながらの土鍋でお米を炊くとやっぱりより美味しいという意見もありますね。土鍋は熱がじっくりとお米に伝わることで芯までしっかりと火が通ると言われています。じっくりお米に火が通ることで一粒一粒がしっかりとして際立ち、甘味も強く感じますね。また土鍋の底に出来るおこげも美味しいものです。
土鍋でお米を炊くのはハードルが高いと感じられるかもしれませんが、実は手順を守ればそう難しいことではないんです。
- 炊飯専用土鍋なら指定の上限まで。ふつうの土鍋なら炊きあがりが鍋の7割ぐらいになる分量を炊きます。
- 炊くお米に対して1.2~1.5倍程度の水を使います。お米1合だと150gなので水を180~220ml程度になります。
- 沸騰するまで強火にかけます。
- 沸騰したら弱火にして10分から15分ほど待ちます。
- 一度蓋を開けて、水分が十分に飛んでいれば火を止めます。水分が多いようならこまめに確認しながら弱火にかけてさらに水分を飛ばします。
- 火を止め10分ほど蒸らしたら炊きあがりです。
- 炊き上がったら必ずしゃもじでお米を切るように全体をほぐしてください。余分な水分を飛ばします。
丸二商店さん
丸二商店さん
シュレさま
丸二商店さん
お米保存のポイント!!
お米は低温で空気を遮断して保管する。
シュレさま
丸二商店さん
美味しい炊き方のポイント!!
お米を研ぐときは強く洗いすぎない。炊く前の吸水をしっかりと。
シュレさま