サラダやサンドイッチの具材としてお馴染みのハム。一方、ベーコンエッグやハンバーガーに使われているのがベーコンですね。どちらも豚肉を加工した食品ということは分かるのですが、どちらもよく似ていて、はっきりとした違いというとパッと出てきません・・・。ということで今回の「今さら聞けないチガイ」シリーズはハムとベーコンの違いについてです。
ハムとは!?
ハムというのは、豚のもも肉をかたまりのまま塩漬けにした保存食です。もともと「ハム」というのは豚のもも肉という意味です。塩漬けした後、加熱を行わないハムを生ハムと呼びます。一方、スペインでは生ハムの方が一般的なので、加熱したハムの方に固有の名前が付けれています。また、生ハムにも燻製を加えたラックスハムや、塩漬けと乾燥のみで燻製にしないプロシュートなどの種類がありますね。
ハムはもともと保存食として作られていて、塩漬けにすることでカビなどの発生を抑え腐敗を防いでいます。また筋肉が塩を吸収することで肉が柔らかくなりより美味しくなるんです。
とはいえ、現代ではハムの保存食という意味合いは薄れて、もっぱら豚肉の加工食品という意味が強いですね。また、豚肉以外の肉を塩漬けにした物でもハムと呼ぶことがあり、魚肉ハムなども存在します。つまり、今日ではハムというのは、肉類を塩漬けにした食品全般を指すことがあるということです。
ベーコンとは!?
一方のベーコンは、豚のバラ肉を加工した使用した加工食品です。バラ肉を塩漬けにした後、燻製にすることで完成します。加熱する工程は無くて、燻製だけで終わる加工食品です。
バラ肉はもも肉とくらべて脂がよく乗っていて、見た目にもベーコンの方が脂肪が多く見えます。また燻製による香ばしい香りと相まって、加熱すると脂が滴りジューシーな感じに仕上がりますね。
日本では捕鯨の活発な時代、鯨肉を使ったクジラベーコンが作られていました。昭和50年代ごろまでは、豚肉のベーコンと並んでメジャーな食材だったので、食べたことがあるという方もおられるのではないでしょうか。
ベーコンの歴史は紀元前のデンマークにまでさかのぼります。航海時の保存食として作っていた豚肉の塩漬けを乾燥させるとき、偶然湿った薪をつかって燻されたものが意外と美味しかったことがベーコンの始まりです。ベーコンはその歴史の古さから世界各国に広まっていって、中でもアメリカ人のベーコン愛はすさまじく、ベーコン味の歯磨き粉やガムもあるんだとか・・・
ハムとベーコンの違いまとめ
- ハムは豚もも肉の塩漬け全般を指す
- ベーコンは豚バラ肉の塩漬けを燻製にして乾燥させた保存食
- 近年では肉類の塩漬け全般をハムと呼ぶ場合もある
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